うまいものJAPAN ///////////////////////////////////////////
「うまいもの便り」 2009年1月
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あけまして、おめでとうございます。
多事多難な昨年でしたが、日本のお正月は穏やかな天候に恵まれて明けました。
しかし、世界を見ればまだまだ災害や戦いの火種は消えそうに見えません。
こんな時は、企業も個人もじっと耐えて、
じっくり技術や知識の蓄積をする好機と捉えたいものです。
我田引水ですが、どんな時にも食べることは、生きる基本です。
日和見的な報道、価格やブランドに惑わされることなく、
本ものを見る目を養っていただければと願っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
うまいものJAPAN うまいもの探究人 鈴木延枝
■■1月のおすすめ
■京都・東山八百伊
新たなセット商品を。『京の現代の名工・村井明』の手から生れたお漬け物の数々。
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■松川村・黒豆茶
寒い時には、ほんわか温かい飲み物を。
松川村の黒豆茶は、黒豆だけでなく玄米・ほうじ茶が一緒に入っています。
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◆◆ ♪♪♪ あっとランダムコーナー Vol.30 ♪♪♪ ◆◆
2008年12月は未曾有の経済危機に不安感がつのる中、
十数回の忘年会に出席しました。会費は、3,000円から3万円まで。
その中で心に残る料理を提供して下さった
二つの宴会のメニューをご紹介しようと思います。
因みに、この二つは、6.000円から8.000円(飲み物別)のものです。
1) 12月6日 (土)
この日は12月二度目の忘年会。
場所は両国、国技館とは線路をはさんで反対側にある。
ここは、玄米酵素や、自然食品を販売している株式会社玄米酵素の経営する直営店。
一階が食品売場、二階がレストラン、その上が研修室になっている。
さすが、ここの玄米は抜群においしい。そして契約農家のトマトを絞った、
トマト100%のジュースも一度飲んだらその味が忘れられないものになる。
このレストランは、基本的に玄米菜食なので、肉は一切、使っていない。
食材と味付けの工夫で、もの足りなさが全くないのに感心する。
たまにここで食事をすることがあるが、この日の料理は別もののよう。
料理長の気の入れようがありありと見える。
聞けば、料理長は中華料理のご出身とか。
どうりでいつもは、あっさりした和風の味付けなのだが、この日は違った。
献立の中の「特製ミートローフ」「野菜ピリ辛炒めレタス包み」
「南瓜のきのこクリーム詰め焼き」などに、それは感じられた。
パーティ料理は精進料理風のものばかりでは盛り上がらない。
手が掛っている料理が多かったし、全体のアクセントになる味付けのものもあり、
参加した人々に満足感を与えていたのは事実だった。
−菜譜−
・特製ミートローフ
・大豆ハムと大根のカレパッチョ
・黒胡麻豆腐
・菊花と春菊のおひたし
・大浦牛蒡の詰め煮
・野菜のピリ辛炒めレタス包み
・蕪ら蒸し
・南瓜のきのこクリーム詰め焼き
・野菜餃子
・豆腐とこんにゃくの味噌田楽
・中巻き寿しと野菜寿しの盛り合わせ
・ろくべぇ〜(長崎県離島の郷土料理、さつまいもの粉入りのうどん)
・アップルパイ
・胡麻揚げ団子
店名 元気亭
場所 墨田区両国3-24-10
営業時間 ランチタイム:11:30〜13:30(ラストオーダー)
ディナータイム:17:00〜19:00(ラストオーダー)
日・祝日休み
TEL 03-3632-3933
2) 12月26日 (金)
この年最後の忘年会は、戸越のハウスレストラン ラ・メゾン・サイトウで。
ご主人は長年、フランス料理のシェフを務められた方。
ご自宅を開放して一階をレストランにし、限定6名までのおもてなしに、
腕を振っていらっしゃる。
10月オープンしたばかり。アットホームな雰囲気ながら腕はたしか。
穏やかでどっしりした佇まいの方だ。
斉藤喜嗣シェフは、徳島にご縁があるそうで、食材は阿波・徳島にこだわり、
阿波牛、鳴門金時、れんこん、すだち、阿波尾鶏などをふんだんに採り入れていた。
最後に、温かい汁ソーメンが・・・
ああ、これも徳島の半田のそうめんだった。
もうお腹一杯、と言いながらも、全員残さずすすってしまったのには、驚き。
やっぱり、日本人。こってりした、肉料理の後には、
意外とさっぱり、「するっ」ていうのがイケてしまう。
一皿一皿に絵を見るような盛りつけの粋、
途中、箸休めに、すだちのシャーベットを配するなど、
フレンチと和の見事な融合を味わせていただいた。
−メニュー−
・一口前菜
・マグロとアボカドとホタテのサラダ仕立て キャビア飾り
・フレッシュフォアグラのブリオシュ パン粉付け
黄金焼きバルサミコソース
・鳴門金時のクリームスープ、コンソメジュレを浮かべて
・伊勢海老のシャンパン蒸し サフラン風味のプールブランソース
・口直しに徳島産すだちのシャーベット
・阿波牛の三種の赤ワイン煮、徳島産野菜添え
・立科産リンゴのタルトタタンに徳島産蜂蜜のアイス・
季節のフルーツ
マグロとアボカドとホタテの
サラダ仕立て キャビア飾り
・阿波半田そうめん
・コーヒー
・パン
阿波牛の三種の赤ワイン煮
徳島産野菜添え
店名 ラ・メゾン・サイトウ
場所 品川区平塚1-3-15
営業時間 予約制
TEL 03-3786-3744
■■うまいものとの出会い Vol.60
年の始めは、なんといってもお目出たい魚「鯛」のことを書こうと思います。
昨年の10月から毎週、築地に通っています。
財団法人 おさかな普及協会で、おさかなのことを学ぼうと思ったからです。
考えてみれば、海の近くで生まれ育ち、生家がかまぼこ屋という環境にありながら、
おさかなについて、驚くほど知らないことに気がついき始めました。
そんな訳で今、本格的に水産学、食品学、栄養学の専門家について、
おさかなの語り部になるべく勉強をしている最中です。
11月のある日、会場である「おさかな普及センター資料館」で、
近茶流という懐石料理の宗家、柳原一成先生から、
鯛の料理を教えていただく機会を得ました。
急ごしらえの調理場ながら、助手の方を4人も従えての贅沢な講座です。
以前から柳原先生には憧れていました。
それが直接お手許を拝見でき、教えを乞うことができるなんて、
なんともエキサイティングな時間。
心が静かな鼓動を打ち始めていました。
そもそも、鯛ってなんで、お目出たい魚なのでしょうか。
もちろん、おめでたいにかけての意味もあります。
美しい姿、輝く銀鱗、上品な味のよさ、華やかな赤色は邪気を払う神聖な色などなど。
日本でおさかなといえば、「鯛」が一番という位、鯛はおさかなの王様。
その中でも、鯛の王様は『マダイ』なのです。
一口に鯛といっても、日本沿岸に分布しているものだけでも13種類、
世界中では約100種が数えられています。
因みに金目鯛、甘鯛、金時鯛、石鯛などはタイ科ではありません。
「〜銀座」というように、鯛と名がつくだけで、
高級をイメージさせるから、〜鯛とつけたのでしょう。
鯛が祝膳に欠かせなくなったのは、平安時代の後期といわれています。
延長5年(927年)の「延喜式」に天皇に献上した魚の中に鯛の塩蔵品や
干物が記録されているのです。
その前までは、川魚が魚の上もので、「鯉」が尊ばれていたそうです。
このような日本の魚食文化の変遷についての講義の後、
まな板の上に乗せられたのは70〜80cmの体長の立派な真鯛。
当然天然もののマダイです。養殖のものとは色が違う。
そして鰭(ヒレ)の形が違う。鼻の穴も違うのです。
魚の鼻の穴など意識して見たこともなかった私は、
感心するばかりでした。
何かを知ろうとすればするほど知らないことを発見するものです。
早速、うろこを落とす。
そして、頭を切り落としながら、
「もう一つ、鯛がお目出度いのは何か分かりますか?」と柳原先生。
うろこを数個をとり出して、受講生に廻し初める。
「すかして見て下さい。どう?何か見えるでしょ?」
見える、見える、何か山型のものが・・・
あっ、富士山だったんだ。富士は日本一の山。
これも鯛が縁起のよい魚のわけの一つだったのだ。「おーっ」という歓声があがる。
会場内が驚きと幸せな空気に包まれていました。
とてもよいものを見たと私も心底思いました。
さらに、鯛には「鯛の鯛」というものがあります。
「鯛の鯛」とは、肩甲骨と烏口骨がつながった状態のもので、
鯛の形に似ていることからこう呼ばれています。
めでたい鯛の中で、さらに目出度いもので、
1匹に1対、2個あります。
先生のお手許を見ると、包丁がいやに小さい。出刃包丁も刺身包丁も。
そう、近茶流は江戸時代文化文政の頃に興った女性のための会席料理だったのです。
宗家も一成先生のお父様の敏雄先生の代から男性に変ったのです。
その前までは女性の宗家だったのでした。
だから、調理器具も小ぶりで女性に扱いやすいものを使っているのです。
この日は鯛を三枚におろし、皮をむき、「鯛の平造りと皮霜造り」、
鯛の頭と聖護院蕪の「鯛かぶら」と「鯛茶」。この三品をお盆立てにして全員に。
お刺身はもちろん言うことなし。特に皮霜造りは、皮つきの腹身に熱湯をかけ、
ちぢんだところで冷水につけたもので、歯ごたえといい、脂をおさえた味といい、
ふぐに似た滋味でした。
「鯛かぶら」は、うす味仕立てで旬の聖護院蕪の柔らかさと甘みが、
鯛の味を引き立てていました。
最後の「鯛茶」は、みがきごまを煎ってすり鉢で当たり、
しょうゆと酒の調味料でのばしたものに
あらかじめ鯛を和えておいたところがミソでした。
わさびも本物をその場ですりおろしたもの。三つ葉は2センチほどの小口切りに。
炊きたてのごはんをお茶碗に盛り、鯛をのせ、三つ葉を散らす。
熱々の番茶を張り、わさびを天盛りにする。
ごまの香ばしさ、三つ葉の上品な香りと食感が絡み会い、
そこに本わさびのツーンとした辛みが味を引きしめる。
なんとも口福を実感できた極上のお茶漬でした。
築地の場外を歩きながら、どうしても皮つきの平造りを作りたくなった。
それにはよく切れる柳刃包丁がなくちゃ。
洋服を一着がまんして、あの近茶流の柳刃を買おう。
「私の2009年買いたいものリスト」の一位が決った。
めでたさも 不況の風に かき消され
平成21年 睦月 鈴木延枝 記
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